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ぷれぜんと ふぉー kiyonさん!!


大好きなkiyonさんへ!二周年&50000ヒットおめでとうコラボ小説でございます!!再び、猫探偵さんとウサリッヒさんのお二人(?)をお借りいたしました!!

ちょっとまとまりがない上に猫探偵がシリアスになってしまいました。こんなのでよければどうぞ煮るなり焼くなり好きになさってください!



平和な午後のひと時。
この町で評判の仕立て屋で働いている娘は近所の甘味屋で久々の休みを満喫していた。

ふと、視界に派手な着物の少年が目に入った。綺麗な顔に人目を引く派手な服。間違いなく今この町で噂になっている語り部だ。
ぼぉっと見ていると、こちらに気付いたらしくニコリと笑ってみせる。職業柄、愛想がいいらしい。

「どうか致しました?綺麗なお嬢さん。」
「いえ、いつも大通りで話をしているからこうやって普通にものを食べに来ているのを見ると不思議な感覚でね。」
「はははっ、いくら語り部といえど人間ですからねぇ。飯を食わなきゃ死んでしまいますよ。」

もっともである。しかし、いつも大通りで話している彼を見ているといまいち現実味が沸かないのだ。本の中の人物のように見えてしまう。しかし、こうやって普通に団子を頬張っているのを見ると普通の少年に見える。
仕事と私事の切り替えがしっかりできているのだろう。まだまだ幼いのに立派である。

「しかし、ここでお会いしたのも何かの縁。ひとつ、とある国の探偵のお話でも致しましょうか。」
「いいの?やった、丁度暇してたのよ。」
「そりゃ丁度いい。こないだ聞いたばかりの話でね。話すのはお嬢さんが初めてだよ。」

自分のためだけに語り部が話をしてくれる。というのは中々無いだろう。楽しまなければ損である。

「それでは、ひとつお話を。つまらなければ立つもよし。面白ければ語り継ぐもよし。どうぞお好きになすってください。
長話になるやも知れませんが、どうか最後までお付き合い願いたく候。」

大通りで話すような大声でなく、静かだが穏やか。それでいて、はっきりと澄んだ声。

「眩しい陽だまりの中語りますは、男と、探偵と、その助手の話にございます。」




色とりどりの服で着飾った貴婦人や、立派な外套を身にまとった紳士たちが行き交うここは、英国に良く似た、しかしまた別世界に存在する場所。

そんな国のそこそこ都会なこの町の中、立派な門扉のおくに続く広い庭と菜園。そしてさらに奥へと行くと赤い屋根が目を引く立派な家。

ここはとある有名な探偵の事務所。東西南北、花のロンドンから国境すれすれの村まで依頼とあらばどこまでへも行き、解決した事件は数知れず。そんな腕のいい探偵とだけあって依頼は絶えることなく彼の元へと舞い込んでくる。

今日は珍しく穏やかな午後。しかしながら、平穏は長くは続かず、身なりのいい銀色の髪に狐の耳が生えた男が探偵事務所のドアを叩くその音が非日常、つまりは依頼の合図だった。

「はいはーい!!今行きやすから、ちょっと待ってくださいでやんすー!!」

とたたたた。と小走りで来てドアを開け、ひょこっと顔を覗かせたのは桃色の髪にウサギの耳生えた少年。白い半袖のシャツに桃色のチョッキと黒の半ズボンを履いており、まだ年齢は13,4くらいの年頃のように見える。

「はいはい新聞は間に合ってます牛乳の集金は昨日来ました旦那はインタビューなんかはすべてお断りしておりますがどうされましたか?」

まくし立てるように早口で言うが、男の身なりを見て集金でも新聞記者でもないと判断したのだろう。はっとして「どうされましたか?」と改めて聞きなおした。
男も多少驚いたような素振りを見せたが、気にすることなくにこりと笑った。

「すまないが、人探しをしてもらえないだろうか。」
「あっ、依頼でやんすか。ダンナァー!依頼でやんすー!!降りてきてくださいー!!!」

奥へ向けて少年が大声を張り上げると、猫の耳の生えたサラリとした金髪で背の高い男が階段を下りてきた。白いシャツに黒いズボン。どちらもシンプルだが良い仕立てのものだ。このいかにも上流階級の紳士といった風貌の男。少年の態度からすると、この男が探偵なのだろう。

「叫ばなくとも聞こえているよ。まぁ、中へお入り下さい。
ウサリッヒ君。お茶を淹れてくれたまえ。温度と注ぎ方を間違えないように。」
「うっ・・・、わ、分かったでやんす。」

おそらく台所へと向かった助手であろう少年を気にすることも無く、椅子に座る探偵と男。
しばらくして助手がお茶を出したところで探偵が依頼内容の説明を求めた。

「人探しと言ってらっしゃいましたかな。どのような方をお探しで?」
「えぇ、証拠が無くて逮捕されていない連続殺人犯を探しています。
名前は・・・、なんだったかな。あぁ、そうだ。確か・・・スペルビアだった。黒髪でアメジストの瞳の青年だ。」
「えらく情報が断片的だね。それで探せというのは少々きついものがある。」

探偵の言葉に男は顎に手をやり、考えるような仕草をした後、ぽつりぽつりと記憶から情報を取り出し始めた。

「警察官。警察官のスペルビア・アントワーゼです。十二番街の刑務所勤務の。」
「・・・お会いしてどうするおつもりで?」
「会わせるまではしなくてもいいよ。普段いそうな場所を特定してくれさえすればいい。刑務所には普段いないようで、困っていたんだ。
少々話を聞きたいんだ。まぁ、何の準備をしていない今会っても意味がないのだけど。」

意味深に微笑む姿はまるでよく出来た人形のようで、探偵はうすぼんやりと違和感を覚えた。生きているものを相手にしているようには思えなかったが、まぁそういう客もたまにはいるものだ。何も考えないことにして依頼に集中することにした。

「では、今から十二番街へ行って調査をしてきましょう。今日中にでも依頼は解決しますから、ここへ連絡先を。」
「私もご同行させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「いいでしょう。では、支度をしますから少々ここでお待ちください。ウサリッヒ君、聞いたね。今から十二番街へ行くから私の帽子と外套を取ってきてくれたまえ。それから君の支度もしてきなさい。」
「ちょっ!帽子と外套くらい自分で取ってくりゃいいじゃないっすか!!」
「私に、指図を、するのかね?」
「いたたたたたた何するでやんすか!!ほっぺたがっ!ほっぺたが伸びるでやんす!!」
「はははっ」

探偵は笑いながら助手の頬を気が済むまで引っ張るとのんびり茶を飲んでいる男に「それでは、しばらくくつろいでいてくださって結構ですから。」と声をかけて二階へ上がっていった。



しばらくして、青いシルクハットと外套を身にまとい、カナリアのデザインされた杖を持った探偵となぜか重たそうな荷物を背負った助手が二階から降りてきた。「うぅ・・・なんでオイラがこんな物をっ・・・!」と苦しそうに呻く助手を無視して探偵は「では、参りましょうか。」と玄関のドアを開けた。

十二番街までの道のりはそう遠くは無い。しかし、近いかと聞かれれば話は別である。

十二番街目指して歩くうちに、探偵はふと、この男は何をするために逮捕できない殺人犯を追っているのか疑問に思った。どうしてもひっかかるのだ。
この男の風貌からして、警察や同業者ではないような気がする。しかし、この男はわざわざ決して安くは無い依頼料を支払ってまで自分に依頼してきた。ただの物見遊山ならここまでやらないだろう。

「失礼ながら・・・職業はなにをなさっているので?」
「あぁ、語り部をしております。なに、暇なご婦人やお嬢様方に話をして生計を立てているのです。こういった犯罪者の話などは噂話に敏感なご婦人方が好まれるのですよ。」
「今回のもそれかい?」
「・・・いえ、今回のは少々違いますね。まぁ、しかし知る必要はございませんよ。」

有無を言わさぬ微笑。これ以上の言及はさせないつもりらしい。
ふと、十二番街にある有名な酒場の看板が見えた。もうついていたらしい。

「さて、まずは聞き込みですね。ウサリッヒ君。彼が勤務する刑務所まで行って、普段彼が何をしているかを聞いてきてくれ。私はそこの酒場で話を聞いてみる。」
「わかったでやんす。・・・、これ、置いていってもいいでやんすか?」
「なにを言っているんだ。ちゃんと持っていきたまえ。」
「鬼!悪魔!!肉食獣!!!」
「なんとでもいいたまえ。ほらさっさと行く!!」
「うぅ・・・こんなにこき使われて薄給なんて・・・!」

嘆く彼の声が遠のいていく。ぶつぶつと雇い主への愚痴をはきながら、彼は刑務所のほうへ小走りで消えていった。

「さて、酒場へ行ってみるか。」

走り去る助手が見えなくなるまでその場に立ち止まっていた探偵はそばにある酒場への階段を下る。男もそれにならった。

思った以上に長い階段の先のドアを開くとカランカランというベルの音と共に酒のにおいが鼻をつく。酒場には昼間から酒を飲む男たちの姿があった。このあたりは夜間に労働を行うものたちが多く住むエリアなので必然的に仕事帰りは朝から昼なのでまぁ、問題ないのだろう。

そんな中にこのあたりでは珍しい黒髪で派手なシャツを着た青年がビールを飲みつつおそらく仲間と思われる数人の青年たちと談笑していた。
それをみた男が小さく笑みを浮かべる。

「あぁ、いたいた。彼です。普段からここにいるのでしょうか。」
「聞いてみましょう。
マスター、お勧めの品を。あなたはどうします?」
「私は酒は飲めないので遠慮しておくよ。」

席に着くとまもなく淡い青のグラデーションのカクテルが運ばれてくる。
探偵はそれを一口飲むとすぐにそれを置いてバーテンダーに笑いかけた。

「マスター、あそこの彼はいつもここにいるのかい?」
「あぁ、大体そうだなぁ。4時ごろから6時くらいはここにいるな。
ちょっと西に行ったところの警官で朝と夜のパトロールをしているらしい。」
「おーい!マスター、注文いいかぁ!」
「あぁちょっと待ってな!!!悪いね探偵さん。あいつの話が聞きたいなら俺よりあそこに固まってる連中に聞いたほうがいいぜ。それじゃ。ゆっくりしてってくれよ。」

にっと人懐こい笑みを浮かべるとバーテンダーは軽い足取りで青年たちのもとへといってしまった。もう少し情報が引き出せそうだが、深追いすると青年のほうが気づいてしまうだろう。

「もう十分だよ。これだけ分かれば話をするには簡単だ。報酬は振り込んでおくよ。」
「えぇ。わかりました。」

代金をカウンターに置いて、探偵は席を立った。男は青年を見て不気味な笑みを浮かべたが、それに気づくものは誰もいない。青年は大声で騒ぎながらバーテンダーや仲間と笑いあう。きっと彼は今、幸せなのだろう。

人の幸せを奪って、命を奪って、幸せになれるとは、どこまでも勝手なやつだ。
だからこそ、彼の話に興味がある。

少し急な階段を上ると赤い日の光が差し込む。もう夕方だ。
例の連続殺人犯の犯行時間でもあり、青年の仕事の時間でもある。

あぁ、楽しみだ。楽しみで仕方がない。警官が連続殺人をする理由とはいったいなんなのだろうか。


「ダンナァー!!情報、つかめましたよぉ!!!!」

階段を上りきると助手の少年が大荷物を抱えて走ってきた。
足取りはふらついている。走っているというよりも倒れかけているように見えなくもない。若いうちからこんなに苦労して果たしてこの助手の未来はどうなるのだろうか。

「えーっと、警官たちから聞いた話では、非番のときや休憩時間はたいていここにいるそうでやんす。」
「もう見たし聞いてきたよ。そんなことよりその中に私のおやつが入っているからとってくれたまえ。あぁ、それからもう依頼は完了した。明日は君にも特別ボーナスだ。」
「オイラ一体なんのために刑務所まで走ったんでやんすか・・・ってボーナス!!?」

ボーナスという言葉に目を輝かせながら鞄を1分ほどあさると助手はクッキーのようなものを探偵に手渡した。
それをさくさくと食べながら探偵は改めて、なんのために自分に依頼をしてきたのだろうと考えた。よもや、被害者の遺族なのだろうか。復讐のために自分を利用したのではないだろうか。
さまざまな可能性が頭に浮かんでは、消えていく。

「まぁ、終わったことを心配していても仕方がないね。ウサリッヒ君、帰ったら夕飯の支度を頼む。私はしばらく庭で考え事をしているから。」
「えぇ?・・・まぁ、いっか。シチューでいいでやんすか?」
「あぁ、かまわないよ。よし、じゃぁ帰ろうか。」
「了解でやんす。」




「そういって二人は事務所に帰ったのです。」
「へぇ、でも今までの話し聞くと普通に探偵さんが人を探したってだけじゃないですか?」

かたりべは赤い扇をぱっと開いてこちらへ向けた。
その目は爛々と輝き、良くぞ聞いてくれました。と言わんばかりだ。

「お嬢さん。私が最初にいったこと、覚えてらっしゃいます?」
「え?・・・、えっと。眩しい陽だまりの中で語りますは・・・だったわよね?」

正解だったらしく、にっこりと笑ったかたりべが静かに扇を閉じ、目の前の日向を指す。
暖かい陽だまりの中語るときいて思い浮かぶのはほのぼのとしたなんでもない話。
かたりべが、そんな話をするはずもない。

「眩しい陽だまりがある場所には必ず、真っ黒な影が存在するのです。相反する二つが共にあることで双方がより一層存在感を持つのですよ。
実はこの話には続きがあるのです。その依頼が終わってから一週間後。」




「ボーナスも貰えたし、もうウッハウハでやんす!いやぁ、ダンナがこれほど気前がいいって絶対なんか悪いことの前触れなんだろうけど・・・まぁ、今が平和ならそれが一番でやんすね。」

るんるんしながら広い庭を掃き掃除する助手。落ちた木の葉を庭の隅に集めると朝食を作るために玄関へ足を向けた。

「っと、新聞新聞。忘れたらダンナからまた叱られるでやんす。」

がちゃり、とポストを開けて新聞を抜き取りしめる。心なしか足取りも軽い。軽くスキップしてしまうくらいに彼はもう浮かれていた。

「ダンナァー、新聞でやんす!」
「ありがとう、・・・おや。これは・・・。」

朝の紅茶を飲んでいた探偵が受け取った新聞を見て顔をしかめた。不審に思った助手もその手元を覗き込んで驚愕した。


連続殺人犯容疑者、変死体で見つかる。
―背中に大きく刻まれた、傲慢の文字が意味するのは一体?


その記事のしたには見覚えのある青年の顔写真。間違いなく、一週間前に探した彼である。
探偵の脳内に印象的な人形のような笑みが浮かんだ。もしかしなくとも、彼が。

「だ、ダンナ・・・。この人・・・。」
「・・・今回は悔しいが手を出さないよ。あまりに証拠が少なすぎる。だからこんなに騒がれるんだろう。それに、この前の彼の名前は偽名だったしね。」

探偵は口惜しそうに新聞を置くと、スケジュール表に目を通した。
しばらくは暇になりそうだ。しかし、一体どこから依頼が転がり込んでくるかわからない。そして、この事件のことも気になる。しばらくは様子見にしておこう。

事件が絶えない花のロンドン。
その事件のなかにはいまだ、解決されていないものも多数存在する。

華やかな町並みの中には、その手を血に浸したものが隠れているのだ。








・・・あとがき・・・・
50000ヒット&二周年おめでとうございますぅうううううううう!!
さすがはkiyonさん!!!これからも全力で応援しております!!でもくれぐれも無茶だけはなさらぬよう!!努々お忘れなきよう!!

お仕事、大変だそうで・・・本当に心配です。集団になった女子ほど恐ろしいものはありません、どうかお気をつけて。

今回再びコラボさせていただいたのですが・・・ちょっと難産だったかもしれません・・・でも、書いてる側はすごく楽しかったです!疲れたkiyonさんを少しでも癒せればと思ってがんばって書いたのにとても癒されるような内容ではないとは・・・すみません;

かたりべのちょっぴりダークな雰囲気と、ほのぼのしてて可愛くて最高な猫探偵の雰囲気がうまく混ぜれたらよかったのですが・・・力量不足です。申し訳ない。

こんな作品でよければ貰ってください!!それでは!!!


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まとめteみた【夢幻迷路】

大好きなkiyonさんへ!二周年&50000ヒットおめでとうコラボ小説でございます!!再び、猫探偵さんとウサリッヒさんのお二人(?)をお借りいたしました!!ちょっとまとまりがない上に猫探偵がシリアスになってしまいました。こんなのでよければどうぞ煮るなり焼く?...

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スランプを脱却したものの底辺である文章力に変わりは無く。それでも楽しく書けるようになりました!絵のほうは着々と三成さん漫画アップ準備中。携帯で撮影・パソコンへ転送・あっぷ!という方法をとる予定。

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