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涙が出るほど久しぶり


本当にお久しぶりです!部活でわやくちゃになっててうpできなかった和風かたりべ第二弾!
正直、ずいぶん前に書いたしあまり気に入っている訳ではないのですが、せっかく書いたし、流石に放置しすぎだしということで。

これからはもっと忙しくなるので、さらに消えることになると思いますが次の更新を待っていてくださるとうれしいです。

それでは今回はとある娘の話。あふれる矛盾につっこんだら負けです。


第二部

お母様の馬鹿、あたしには心に決めた方がいらっしゃるのよ。あんな平気で人を傷つけて、それを隠してニコニコする様な男なんかに誰が嫁ぐもんですか。

家にはもう絶対に帰らないわ。いいえ、どうせお母様が連れ戻しにこられるんでしょう。お父様が失敗して、家が没落して一番あせっているのはお母様だもの。お父様はすぐに立ち直ってまた新しく商売を始めるって仰ってたのに。お金持ちの男を婿に、家を今すぐ立て直さなければ。なんて。自分がお金がほしいだけなのよ。あぁ、お母様なんてだいっきらい。

町をふらふらと歩き回る。こうしていたら、あの方にお会いできるのかしら。
美しいお顔と髪と優しい優しい甘い笑顔に南蛮装束がよく似合う高い背。茶屋で一人でないていた私に声をかけてくださったあの方に。

遠くでよく通るきりりとした声が聞こえて、あたしは思わず足をとめた。まるで、あたしを呼んでいるみたいな声。内容はどうであれ、あたしのことを待っていたような声。

「さぁさぁ皆様お立会い!!傾くお天道様が照らす町を背景に語りますは、逃げることにまつわる話にございます!!!」

最近、町でうわさになってるかたりべ。なんだか、不思議な縁をかんじるわ。
話でも、聞いてみようかしら。


「もし、そこのお方。」
「はい!どうなさいましたか?美しいお嬢さん!」

にこりと笑う14,5歳くらいの少年。深い緑の瞳と人目を引く派手な服装。金と黒の髪色が彼を不思議な存在に見せた。まるでこの世のものではないような、浮世離れした存在。
なんだか、御伽草子に出てきそうな綺麗な少年だった。

「なにか面白い話はない?」
「面白いかどうかはともかく、お嬢さんに関係する話はございますよ。お聞きになりますか?」

数歩あるいてこちらに向き直り、綺麗なお辞儀をするかたりべ。
ふと、あたりの喧騒が消えたのに気づく。あたりには生き物の気配はなく、奇妙な違和感に襲われる。
なんだか、よく分からないけど。とても重要な何かを間違えてしまったような気がする。

「最近、巷で連続殺人事件が起こっていますよね?」
「えぇ、知っているわ、最近町はその話題で持ちきりだもの。相手は誰でもいいみたいで、見境なく殺してしまうそうね。」
「えぇ、最近は物騒で困ります。
犯人の目撃情報もないそうじゃありませんか。見たものは死ぬなんて、妖の仕業なんじゃないかっていう人もいますがね、私はそうじゃないというのをこないだ知ってしまったのです。」
「どういうこと?」

巷で流行っているのは辻斬り。刀ではない、鋭い大きな針のようなもので心臓を一刺し。犯人の検討はつかないまま、町人はおびえて過ごしている。お父様も夜中に一人歩きはやめなさいって言ってらっしゃった。
ちなみに、見た人は本当に全員殺されているらしくて、誰も殺人鬼の正体を知らない。

「綺麗な御髪とお顔、高い背。何より印象的なのは夜の暗闇でもよくわかる、派手派手しい南蛮装束!」
「え・・・?」

それは、もしかしてこの間の・・・。という考えが頭をよぎるが、あわててそれを否定する。あんなにやさしい人がそんなことするわけがない。あたしったら、馬鹿じゃないの。

しかし、それを見た少年が「大正解!!あなたの予想は大当たりですよ!!」と扇をぱんっ、と開いた。

「どうして、あたしの考えることがわかったの?」
「さぁ、どうしてでしょうかね。
実はこの前、南蛮装束の男とあなたが茶屋で話してらっしゃるのを見ましてね。いやぁ、驚きましたよ。あんなことがあったのに。」
「なんのこと?」
「辻斬り、殺されかけたそうじゃありませんか。」
「・・・、知らないわ。」

そんなもの、どうして今頃言い出すの。あたしは助かった。その事実だけで十分よ。

それに、犯人の男の顔なんて見てなかったけどあんなにやさしい方がこんな酷いことするはずないわ。
ありえない!!このかたりべ、なにを考えているのかしら。

「お嬢さん、あんた本当におめでたい方だねぇ。
本当に残酷な人ほど、普段は優しいもんだよ。そうやって、油断させるんだ。勘違いしちゃいけないよ。」

人がいない大通りにさぁっと風が吹き抜ける。聞きたくないわ、本当になにを言っているの。
勘違いなんてしてないわ、ちゃんとこの目で見極めた。あの方はあたしの理想の方。あの方と、心に決めた方。

「証拠もないのに、そんなこと言わないで頂戴!!」
「証拠が欲しいのですか、そうですかそうですか!では、および致しましょう。」

私とかたりべしかいない、この大通り。この時間帯なら家路につく人がちらほらいるはず。なんで誰もいないの。おかしすぎる。それに、証拠を呼ぶ、なんて。どういうことなの?

「・・・っ!」

不意に目の前にあの方が現れた。ほほが赤く染まり、心臓がうるさく鳴り出す。
なんて声をかけようかしら、あぁ、なんだかもう考えが追いつかない!

「お嬢さん、この方で間違いありませんね。」
「そうよ。あぁ、なんて素敵・・・。」
「そうですか、素敵ですか!!いやぁ、本当に忘れてらっしゃるのですね!!」

笑うかたりべが不愉快を通り越していっそ不気味だ。怖い、怖い。助けてほしい。
すがるようにあの方のほうへ寄ると、あの方は私を無視してかたりべのほうへふらふらと歩み寄る。

「やぁ、君はたしか・・・かたりべだったかな。まぁ、どうでもいいか。」
「お嬢さん、しっかり見てなよ。これがあんたが恋した男のしょうた、」

ぐさり。

かたりべの体が貫かれる。手に持っているのは南蛮の剣・・・、サーベルと呼ばれる剣。大きな針に似たそれをあの方は迷わずかたりべの心臓へ突き刺した。

おそろしい光景に、声が出せない。足が震える、そんな。あのかたが、こんなことを。

傷口から噴出した鮮血を浴びて「あぁ、なんて美しい!!どんな紅にも負けぬ鮮やかさ!」と笑顔のあの方を見て、私は理解する。
彼の言っていたことは本当だった。逃げなければ、逃げなければ!死にたくない、生きていたい、まだまだやりたいことがたくさんある!!!

震える足を動かして逃げようとする、しかし、男が追ってくる様子はない。どうして?見たものはみんな殺す。それがあの辻斬りなのに。

「お嬢さん、あんたは逃げなくてもいいんですよ。」

辻斬りは知らない間に消えうせていた。でも、血にまみれて地面に倒れているかたりべはそのままだ。これが現実であるということを示している。

見たくない、見たくない。知らずにいたい!
思わず目をそむける。

あの方は、辻斬りは、楽しいといった。人を刺しておいて、心臓を刺して、血を浴びて。
忘れたい、忘れてしまいたい!

「お嬢さん、わかったかい。これが現実だよ。」

倒れたかたりべの声がした。後ろから。振り向くと無傷のかたりべが背後に立っていた。着物は血で真っ赤に汚れているが、サーベルも刺さっていないし、貫通していたはずの傷もない。

それが今の状況とあいまって、よりいっそう不気味に思えた。

「夢を見るのはやめときな、あんたはもうその資格すらない。
夢を見るのは、生きているやつの特権だよ。」

いきているやつの、とっけん。

いきているやつの。

わたしには、その、しかくが、ない。

わたしには、いきているやつの、とっけんが。ない。





わたしは、いきて、いない。




体が心から凍りつくような感覚に襲われ、たっていられなくなる。
もう何も考えたくない、いや、いや、いや!!!!!
見たくない、知りたくない、何もわかりたくない!!!!!!!

ひざをつき、頭を抱える私の手をとり、ゆっくりと顔を上げさせるかたりべ。怖い、怖い、助けてお父様、お母様!!!怖くてぎゅっと目を瞑るとやさしい声。「お嬢さん、目を開けなよ。お嬢さん、お嬢さんったら。」どうしてそんな優しいふりができるの?怖い怖い怖い!!

「お嬢さん、目を開けてごらん。大丈夫、大丈夫だから。」

いやだ、という意思に反してゆっくりと目があく。にっこりと笑うかたりべと目が合う。

「さぁ、現実を見ようか。」

その言葉を皮切りに、何かが押し寄せてくる。
視界が真っ赤に染まり、体が冷たくなった。激しい痛みが走る。心臓からとめどなく滲み出す赤が着物を染め上げていく。

「いや、いや、いやぁああああああああああ!!!!!!」

目を覆い、真っ赤な着物を振り乱して走り出そうとして、気づく。体が軽い。あちらでどさりとなにかが倒れる音がした。いや、いや、いや。わからない、わからない、わかりたくない!!

走り出した私の目の前にかたりべ。
冷たい冷たい氷のような目でこちらを見る、14,5歳くらいの少年。
深い緑の瞳と人目を引く派手な服装。金と黒の髪色が彼を異質な存在に見せた。まるでこの世のものではないような、人から逸脱した存在。
なんだか、御伽草子に出てきそうな恐ろしい化け物のような少年だった。

「お嬢さん。あんた。もう死んでるんだよ。いい加減、認めなよ。」
「いや、いやよ。私はまだ生きているもの、こんな大怪我を負ってもまだ。こんなに体が軽いんだもの、死んでいるはずなんてっ!」
「お嬢さん、最近ここらを騒がしている。辻斬り騒ぎ。いつのことだろうね。」
「いつって、つい、つい最近のことじゃない。何を言っているの!!」

辻斬り騒ぎは。つい最近のこと。家を出てくる直前に聞いた会話もそれに関すること。それほどまでに町でうわさになっている。そう、現在のこと。
なぜか震える体。はぁ、とかたりべは深い溜息をついて、私の手をがっ、とつかんだ。つかんだ、と思ったら、すりぬけた。

「今、町は突然失踪した役人様の話しで持ちきりだよ。辻斬り騒ぎはもう10年以上も前の話しさ。
夢はおしまいだ。とっとといきな。」

かたりべが両手で何かを抱きかかえている。
真っ赤にそまった、わたし。

「さようなら。お嬢さん。」

わたしの悪あがきが終わった瞬間だった。



事切れた女の体をゆっくりとその場に下ろすと、何かに気づいた少年は顔をしかめた。
「なんだ、ハズレか。」
そこにあったはずの女の体は消えてなくなっていた。くるりと振り向き、腰に挿した似合わぬ刀を撫でる。
「あーあ、残念。遺体が消えたってことははずれじゃないか。ちぇっ、あの男はアタリだったのに。次をあたろうかねぇ。」
かたりべは人の行き交う大通りをのんびりとした足取りで歩き出した。

傾きかけた日が夜の始まりを告げる。

血にまみれた服を着て、家路に着く人の波の中を悠然と歩く彼の姿を誰も気に留めない。まるで見えていないかのように。

彼はかたりべ。罪を探すもの。

彼はかたりべ。罪を求めるもの。

彼らはかたりべ。罪を集めるもの。

彼の腰に挿した刀には、子供の血がついている。



・・・・


やさしそうにしてる人ほど、本当は残酷だったりするんだよ。
勘違いしちゃいけないよ。


はい、今回はハズレの話でした。かたりべだってはずしちゃうときがあるんです。
今回あとがきが書きにくい内容でしたので↑の二行ですませてしまいたいと思います。

さて、次回はみんな大好き狐の話。前回・今回ともに暗い話だったので感動系を目指してみたいと思います。
うpは夏休み前を予定しています。その間に一回くらい河童をはさみたい。

期待せずにお待ちくださいな!それではっ!
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プロフィール

紫

Author:紫
のんびりブログやってます!
更新速度は亀なみですが、よろしくお願いします!

スランプを脱却したものの底辺である文章力に変わりは無く。それでも楽しく書けるようになりました!絵のほうは着々と三成さん漫画アップ準備中。携帯で撮影・パソコンへ転送・あっぷ!という方法をとる予定。

リンクフリーで、相互リンク大歓迎です。
ブロともも募集中。よろしければ気軽に声かけてくださいな。

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